コラム

「建築資材鉄鋼価格の高騰上昇は中古市場に追い風?現況から見た最適な不動産売買戦略」

ワンルームマンション投資に興味があるまたは投資している方の中には、建築資材の価格高騰が中古市場にどのような影響を及ぼすのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

ワンルームマンション投資を成功させるためには、現況を把握し、最適な不動産売買戦略を練ることが重要です。

この記事では、新築価格が高騰している背景、新築・中古需要の変化、中古物件を売却するタイミングなどを解説します。建築資材の価格高騰から考察する最適な不動産投資戦略詳しく知りたい方は是非参考にしてください。

1. 新築価格が高騰!その背景とは

新築マンションの価格が年々上昇しているのをご存知でしょうか。

参照:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向2022 年度(2022 年 4 月~2023 年 3 月)」

不動産経済研究所の調査結果によると、新型コロナウイルスの影響が顕著だった2020年は一部地域で前年度を下回りましたが、それ以外は右肩上がりに推移しています。

新築マンションの価格が上昇する理由として、以下の5つが挙げられます。

・鉄鋼価格が上昇

・円安による輸入資材の価格上昇

・人件費の上昇

・地価の上昇

・新築マンションの供給減少

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

建築資材の高騰 

戸建住宅は木材を主に使用しますが、規模の大きなマンションでは鉄鋼を主に使用します。鉄鋼の価格が年々上昇しており、新築マンションの建築コストが上がっています。建設物価調査会のリポートから原材料の価格動向を見ていきましょう。

参照:建設物価調査会「鋼材2022年度上半期の価格高騰と現況

新型コロナウイルス、ウクライナ情勢などの影響を受けて、ここ数年は鉄鋼の原材料価格が上昇していました。直近は原材料価格が落ち着いてきたものの、鋼材そのものの価格はまだ原材料価格の落ち着きが反映されておらず、以下のように高値圏での推移が続いています。

参照:建設物価調査会「鋼材2022年度上半期の価格高騰と現況

分譲マンションの建設では鋼材が数多く使用されるため、新築マンション価格にも影響を及ぼしているのが現状です

円安による輸入資材の価格上昇

建築資材の価格上昇に加えて、日本はそれらを輸入しているので円安による影響を受けて価格がさらに上昇しているのが現状です。米ドル/円の相場を見ていきましょう。

出典:SBI証券「米ドル/円チャート」

2022年は円安に大きく振れており、2023年は2022年ほどではありませんが、再度円安に振れています。

鉄鋼を含む新築マンションの建設に使用する資材の多くは輸入に頼っています。そのため、円安の影響を避けられません。

アメリカがデフォルトという債務超過に陥りかけていたこともあり、米ドルの一強が終焉するという声も聞かれるため、円安が一旦落ち着く可能性もあります。しかし、米ドルが弱くなっても日本円がさらに弱い状況なので、今後さらに円安に振れる、円安での相場が長期化した場合、新築マンションの価格がさらに上昇する可能性があるでしょう。

アメリカのデフォルトが不動産売買に与える影響について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

人件費の上昇

新築マンションを建設するには当然人手が必要です。人手を確保するには人件費がかかり、人件費の上昇も販売価格に影響を及ぼしています。人件費の現状を見ていきましょう。

出典:中小企業庁「2023年版中小企業白書・小規模企業白書概要」

中小企業庁の調査結果によると、少子高齢化は労働人口の減少を深刻化させていることが分かります。人材を確保するために賃上げを実施する企業が年々増えており、会社の負担が大きくなっています。

特に建設業は深刻な人材不足に陥っているため、人材を確保するのが容易ではありません。新築マンションを建設するために賃上げを実施して人材を確保する場合は、建築コストが従来よりも大きくなります。

建築コストが増えた分が販売価格に上乗せされることによって、価格上昇が続いていると言えるでしょう。

地価の上昇

新築マンションの販売価格は土地代と建物代を合算した価格です。そのため、土地の価格が上昇すれば、当然販売価格も上昇します。土地の価格動向を見ていきましょう。

参照:国土交通省「令和5年地価公示の概要

国土交通省の調査結果によると、2021年(R3)を除き年々上昇していることが分かります。

新築マンションの販売価格には、人件費を含む建築コスト+土地価格+ディベロッパーの利益が含まれています。つまり、土地価格の上昇が販売価格に影響しているということです。

現在の日本は通貨の価値が下がり、物の価値が上がるインフレの状態です。インフレは今後益々拡大することが予想されているため、地価の上昇は今後も続くでしょう。

新築マンションの供給減少

新築マンションの供給が減少していることも、中古マンションの価格を上昇される要因と言われています。新築マンションの供給状況を見ていきましょう。

参照:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向2022 年度(2022 年 4 月~2023 年 3 月)」

不動産経済研究所の調査結果によると、年々新築マンションの供給が減少していることが分かります。需要と供給のバランスは新築マンションの販売価格に影響を及ぼします。

例えば、需要が少なく供給が多い場合は競争が起きません。そのため、価格を下げて買主を募集するので販売価格は低くなりがちです。一方、需要が多く供給が少ない場合は限られた物件を奪い合うため、価格を上げても成約する可能性が高いので販売価格を上げがちです。

特に日本は新築需要が高いため、供給が減少している昨今は、新築マンションの販売価格の高い状態が継続していると言えるでしょう。

2. 新築需要減から中古需要増へ

欧米は中古住宅の市場が活発ですが、日本はあまり活発ではありません。新築住宅のほうが中古住宅よりも性能面で優れているため、安心して暮らせると考えている方が多いことも要因の1つと言えるでしょう。

しかし、昨今は新築需要減、中古需要増へと切り替わりつつあります。中古需要が増加した要因として、以下の5つが挙げられます。

・新築よりもコストを抑えられる

・同価格帯で広い住居が手に入る

・内見で現状を確認できる

・資産価値が下がりにくい

・選択肢が豊富にある

それぞれの要因について詳しく説明していきます。

新築よりもコストを抑えられる

東日本不動産流通機構の調査結果によると、中古マンションの価格動向は以下の通りです。

参照:東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)

不動産経済研究所の新築マンション価格の首都圏平均が6,000万円台に対し、こちらでは4,000万円台となっています。リフォームやリノベーションなどを行っても、この価格差が完全に埋まることはないでしょう。

立地や広さなどが同条件の新築マンションと中古マンションの価格を比較した場合、中古マンションのほうが安いです。そのため、中古マンションであれば、新築マンションよりも大幅にコストを抑えられるでしょう。

同価格帯で広い住居が手に入る

予算を決めてマンション購入に臨んだ場合、新築マンションだと広さや立地などの条件の一部を妥協しなくてはならない可能性があります。

しかし、中古マンションの場合は、同価格帯であれば新築マンションよりも好条件の住居を手に入れることが可能です。例えば、駅に近い、部屋が広い、設備が充実しているなどです。

同条件のマンションを安く取得できるという魅力もありますが、同価格帯であれば条件の優れたマンションが手に入る点も中古マンションの魅力と言えるでしょう。

投資用マンションという観点では、好条件のマンションが手に入ることから高い入居率の維持が期待できます。アフターコロナではテレワークで家にいる時間も増えており、快適な住環境を求める方が増えているため、そのような需要に応えられるでしょう。

内見で現状を確認できる

新築マンションを購入する際は、モデルルームで部屋の間取りを確認できますが、建設後の室内を確認することはできません。そのため、購入後に日当たりや眺望などが悪いといったトラブルが発生する可能性があります。

しかし、中古マンションを購入する際は、建設済のマンションの現状を内見で確認できます。実際に住むことになる部屋の日当たりや眺望などをしっかり確認してから購入できるので、購入後のトラブルを回避できる点も魅力です。

投資用マンションという観点では、完成前と完成後のギャップがなく、需要の高い物件かを判断しやすいです。また、運用中のマンションなので、運用実績を確認できる点は魅力的と言えるでしょう。

資産価値が下がりにくい

新築マンションの販売価格には、ディベロッパーの利益が上乗せされています。そのため、購入後に売却する際は、1年であってもディベロッパーの利益が省かれるので大幅に価格が下落するのが現状です。

後は築年数の経過に応じて10年で価格が購入時の7080%、25年で50%にまで下がると言われています。25年以降の資産価値の下落は比較的緩やかです。

資産価値の下落は売却代金が低くなることを意味するため、損をしたくないという方には中古マンションが向いているでしょう。

選択肢が豊富にある

新築マンションを建設する場合には、新たに土地を取得しなくてはなりません。そのため、建設できる場所が限られます。

既に立地の良い場所にはマンションが建っているため、中古マンションのほうが好条件の立地であることが多いです。

新築マンションにこだわった場合、選択肢が限られます。しかし、中古マンションも候補に入れれば、選択肢が豊富にある中から最適な住居が見つかりやすくなるでしょう。

投資用マンションという観点では、選択肢が豊富にあるほうが収益性の高いマンションを見つけやすいです。また、マンションの立地条件が良ければ、資産価値も下がりにくいため、リスクを抑えられるでしょう。

3. 中古物件の売却は今がチャンス

中古物件の売却は以下の2つの理由から今がチャンスと言えます。

・高く売れる条件が揃っている

・低金利政策が続いている

それぞれの理由と売却時の注意点を詳しく見ていきましょう。

高く売れる条件が揃っている

新築需要減、中古需要増の今は中古マンションが高く売れる条件が揃っていると言えます。

参照:東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)

東日本不動産流通機構の調査結果を見ても、中古マンションの価格が上昇していることが分かります。

鉄鋼価格が下落した場合には、新築価格が下落して新築需要が回復する可能性があるため、今が高く売れるチャンスと言えるでしょう。

低金利政策が続いている

2013年4月に量的・質的金融緩和が導入されてからローン金利の低い状況が続いています。20234月に日銀総裁が変わりましたが、金融緩和の方針は変わりませんでした。

低金利の状況下では返済負担を抑えながらマンションを取得できるので、居住用・投資用に関係なくマンション購入のハードルが低くなります。

需要の高い状況が継続していると言えるため、売却を有利に進められるでしょう。

売却時は所有期間に注意

中古マンションの価格が上がっている状況で売却する際は、中古マンションの所有期間に注意が必要です。その理由は、所有期間で売却益に対して適用される税率が異なるためです。

中古マンションの売却益(譲渡所得)に対して課される税金は以下の通りです。

【譲渡所得の税率】

・短期譲渡所得:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9=合計39.63

・長期譲渡所得:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5=合計20.315

短期譲渡所得は所有期間5年以下、長期譲渡所得は所有期間5年超の不動産売却における譲渡所得に対して適用されます。

不動産を売却した年の11日時点の所有期間を基準とします。短期譲渡所得と長期譲渡所得では、税率が2倍近く異なるため、長期譲渡所得の条件を満たしてから売却したほうが良いでしょう。

4. オメガエステートにお任せください

新築マンションの価格高騰で新築需要減、中古需要増となっている今の状況は、中古市場に有利です。

中古マンションの価格が今後も上昇する可能性があることを考慮すると、これから運用を開始する方は今取得したほうが購入価格を抑えられます。査定額が大幅に上昇している物件を持っている、既に入居者がいて家賃をすぐには値上げできないケースでは、高値圏で売り抜けて利益を確定させるのも選択肢の1つでしょう。

不動産投資を成功に導くには最適なタイミングを見極めることが大切です。不動産投資に興味がある、専門家のサポートが必要な方は、オメガエステートに是非ご相談ください。

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